WEST. FATE

オタクって、抽象的で漠然としたものを見ると、それを自分の都合の良いように解釈して、思案して、我がもの顔で論ずることが好き。

 

FATE(運命)のMVは、アートと文学をアイドルという偶像で無茶苦茶にした傑作だった。どんな曲者の創作?(ありがとう)

 

既成概念が乱反射して偏ったまま、アイドルを自由気ままに愛しているオタクの、いち趣味『言語化』で、FATE最高!を伝えにいく。当然、個人の感想です。よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

冒頭の神山くんの「絶望」って、後から明らかになる「重岡くんへの執念」だと思う。(結論から述べる)

夢に魘されているし、涙を枯らしている。失くしたものをもう一度得るなら、自分も失くなるしかなくない?

 

「使命を食い物にして」いる濵田くんと照史くんが居て、兄組2人の「使命」って何?を考える。7人で一体の造形であり続けることかもしれないし、1人の決断の背中を押すことかもしれない。

 

「感じないように見えないようにして」いた流星くんと小瀧くんで、末っ子2人はそれで良いのですの気持ちになる。全ての悪事から守りたい。

 

ここで扉が閉まる。

ずっとこのままで良いのだと、閉塞的な現状維持に譲歩した時間があった証だと思う。

 

「思い出すんだ 誰のためだよ」で葛藤している重岡くんは、自分の正義の在り処を、いつだって追い求める主人公だ。

 

「I'll be the one」という言葉で、これは「その役割を果たすのは誰だ(俺だ)」に揺れる7人の歌なのだと気付いた。

全員でこの言葉を歌う。答え合わせはまだ先。

そして「目覚める運命だ」と発破をかけるのは…………神山くんなんか〜い!!!そうだよな、この人の主題歌です。

 

「頑丈なドアの鍵は失くしたはずだった」とストーリーテラーな淳太くん。いやいやいや、絶対に隠してたのあなたやん………………

「このまま」であることを、誰にも知らせず守り続けてきた張本人かもしれない。最年長。

 

完全に重岡くん+6人の構図。「誰のためか、思い出して」いた重岡くんが、自分の信念を貫くことと、その代償として失うものへの苦しみを天秤にかけて、前者が行動に出た瞬間。

 

と思った瞬間「巡り合う、その時までの話」と2人で歌う桐山くんと重岡くん?!?!桐山くんは重岡くん派だ…………巡り合います。あっちで待ち合わせです。いつだって、コマを前に進めてきた2人。

 

ラップの歌詞はまだ細かく聞き取れていないけど、流星くんって神山くんを放っておかない、明らかに「神山くん側」なんだよな…になる。と思った瞬間に、神山くんの前から消えたりもして、あ、重岡くんのことも当然分かってる、中立だ…………と殴られる。

さっきはただ守りたい末っ子たちでまとめてしまったけど、やっぱり流星くんの統制力はすごい。

 

「手に残った感触忘れない、乾きが遅くても」の濵田くん………完全に血の話でしょ(頭抱)残り続ける感触と生きていくんだ。

「身が燃え尽きても、目を逸らさない」と、真実から逃げないことを誓う小瀧くんは、そのままに真っ直ぐ居てほしい。怖かったよね…………濵田くんと一緒に、やってしまった…?(急降下)

 

「Why am l the one」全員で問う。なぜ重岡くんがその役割を果たす人だったんだろう。「運命だ」という言葉が、神山くんから重岡くんに代わっている。

 

「守り抜くなら無様なままで良い」んだと叫ぶ照史くん、重岡くんの信念を守り抜くなら……に聞こえちゃうよ…………(限界)

 

完全に赤砂を被った重岡くんとの別れ。取り返しのつかない裏切り。

血眼で「思い出すんだ、誰のためだよ」と重岡くんに訴えかける神山くん、

「I'll be the one」

重岡くんだけで言うな〜!!!!!!!!!!!!確定演出。

 

赤が混ざった砂を見つめる神山くん。重岡くんが開けていった扉を見つめる神山くん。え?いやいやいや、追いかけるやん……………………………………………………(世界一高いフラグ)

 

 

 

 

まとめ

閉ざされた空間で生きてきた7人。扉を開けて外に出る(=血?)であることを分かっていて、外に出ることでしか得られない【正≒生】を求めている。

「誰がやるか」を問われた時、重岡くんだという運命だった。

その背中を押す淳太くん(鍵開け)、桐山くん(また会おう)、濵田くん(血を生む)。

対に居るのはまったく納得ができない神山くん。

全てを知った上で当然怯える小瀧くんと、神山くんの気持ちも分かる流星くん。

そして、結局重岡くんを追いかける神山くん。

さすがに小説の読みすぎかも。(ウインク)

だけど、この解釈でMVを見ると個人的には爽快で、とある異国の文学史に触れたような気持ちになる。

心からのエンターテイメント。楽しませてくれてありがとう、世界一のエンターテイナー!